過去の過ちなど、「嫌なもの」と認識している記憶と、どう折り合いをつけるか。
嫌な記憶には、時が経てば簡単に風化するものもあれば、いつまでも残り続けるものもあります。
ふとした瞬間に過去の過ちを思い出し、心が締め付けられる瞬間。
以前よりダメージが少なくなっている気がするのは、残り続けると思っていたものも、少しずつ風化している証拠なのかもしれません。
しかし、この風化ペースでは記憶が消えるより自分が死ぬのが先になってしまいそう、ということで、そもそもなぜ嫌な記憶は蘇るのか、出てくる記憶とどう折り合いをつけるといいのか、このあたりについて調べてみました。
Q1:なぜ嫌な記憶ばかり思い出すのか?
楽しい記憶よりも、恥ずかしい失敗や後悔ばかりが何度もフラッシュバックするのはなぜか。
これは脳の生存本能(ネガティビティ・バイアス)によるものだそうです。
人間にとって「失敗」や「恐怖」は生命の危機に直結するため、脳は「二度と同じ過ちを繰り返さないように」と、ネガティブな情報を優先的に長期記憶として保存し、タグ付けを強化します。
嫌な記憶が消えないのは、脳が正常に機能し自分を守ろうとしている証拠でもあります。
Q1の深掘り:進化の遅れによる「バグ」は修正できるのか?
上記の内容だけでは「で、対策は?」となってしまうので、深堀りしてみます。
「人間の脳の進化は、現代社会の複雑さに追いついていない」という説があります。
猛獣に襲われるリスクがほぼない現代日本において、上司の叱責や過去の恥を「生命の危機」と同レベルのアラートとして脳が処理してしまうのは明らかに過剰反応です。
では、この時代遅れの初期設定(生存本能)を上書きする方法はあるのでしょうか?
仏教的な「悟り」はこういったことへの答えとして適切そうですが、「悟っとけばいいよ」と言われても困ってしまうので、それ以外のアプローチを調べてみました。
1-1. 脳の可塑性を利用する
脳の構造は大人になると変わらないとされてきましたが、現在は「使えば使うほどその回路が太くなる」ことがわかっています。
ネガティブな方向性の思考は強力ですが、意識的にポジティブな経験を反芻する時間を設けることで、物理的に脳の回路を書き換えて、ポジティブな情報の通り道を太くすることは可能だという説です。
1-2. 言語化による「扁桃体の鎮静化」
嫌な記憶が蘇ったとき、脳の扁桃体(恐怖や不安を感じる部位)は暴走しています。
これに対し、前頭葉(理性的な部位)を使ってブレーキをかける有効な手段が「言語化(ラベリング)」です。
3. デフォルト・モード・ネットワークの抑制
ぼーっとしている時に脳が勝手に活動してしまうアイドリング状態を「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と呼びます。
嫌な記憶の反芻は、多くの場合このDMNが暴走している時に起こります。
瞑想が推奨される科学的な理由は、このDMNの過活動を沈める効果があるからです。
「悟り」という宗教的なゴールを目指さなくとも、単に「DMNのスイッチを切るための技術的介入」としてマインドフルネスを取り入れるのは、脳科学的に理にかなっているようです。
4. そもそも「超える」必要はないという説
進化心理学的に見れば、不安や後悔を感じやすい個体こそ、生き残ってきた「エリートの子孫」です。
「ネガティブな感情=排除すべきエラー」と捉えるから苦しいのであって、高性能な危機管理システムが、平和な現代社会では暇を持て余して誤作動しているだけ」と捉え直す。
「超える」のではなく、「このセンサー、感度高すぎるな」といった感じで認識しておくことが、現代的な付き合い方なのかもしれません。
Q2:何度も出てくる記憶への対策はあるのか?
脳の機能とはいえ、何度も反芻するのは苦痛です。
一般的な心理学的アプローチには以下のようなものがあります。
思考停止法(ストップ・テクニック)
思い出した瞬間に、心のなかで(あるいは実際に声に出して)「ストップ!」と叫び、意識を強制的に別のことへ逸らす。
記憶の編集(リスクリプティング)
嫌な記憶の結末を、脳内で「笑えるオチ」や「無難な結末」に書き換えて想像し直すことで、感情的な結びつきを弱める。
脱フュージョン
「私は今、〇〇という記憶を思い出している」と客観的に実況し、自分と記憶を切り離す。
Q2の深掘り:教科書通りの対策に飽きた人のための「奇策」
上記のようなありきたりな心理療法(思考停止法など)は、頭では理解できても「それができれば苦労しないわ」「これほんとに効果あるのか?」となりがちです。
なので「脳のバグを利用する」「物理的な強制リセット」など、もう少し斜め上の視点や、ゲーム感覚で試せる対策を調べてみました。
「考えないようにする」のが難しいなら、脳の処理能力を物理的にハックしたり、記憶の「質感」自体をいじって無効化するアプローチもあるようです。
2-1. 「テトリス」で脳の帯域を埋める
何かと色々な分野で良い影響があるとされるテトリスですが、「嫌な記憶がフラッシュバックした直後にテトリスをプレイすると、記憶の定着が妨げられる」という研究結果があります。
理屈
嫌な記憶(視覚的なイメージ)を思い浮かべる脳の領域と、テトリスのブロックを操作する領域は競合するので、その領域をテトリスで使います。
効果
脳のメモリをテトリスが占領することで、嫌な記憶を鮮明な映像として再生するリソースが足りなくなり、画質が荒くなるイメージです。
嫌なことを思い出したら、スマホを取り出して無心でブロックを消す。これなら「修行」より簡単かもしれません。
2-2. 質感変換(NLP的なアプローチ)
記憶の「内容」ではなく「演出」を変える方法です。
NLP(神経言語プログラミング)でサブモダリティの変換と呼ばれる手法です。
これについて、映画『ハリー・ポッター』に出てくる魔法「リディクラス」にように、と例えられることが多いようですが、知らない人は「なんじゃそれ」では…?
海外だとハリー・ポッターはそんなに細かい部分まで浸透してるのか?
日本的には以下の例の方がやりやすいかと思います。
やり方
- 音声を変換
怒鳴り声を「ヘリウムガスを吸った長州力の声」に変換する。 - BGMを追加
深刻なシーンに、運動会の曲(天国と地獄)や「スーパーの呼び込みくん(ポポーポポポポ)」の音楽を流す。 - 映像を加工
画面を白黒にする、早送りにする、画面の端にワイプで自分の真顔を入れる。
狙い
脳は「恐怖」と「滑稽さ」を同時に処理できません。
記憶のジャンルを「ホラー」から「B級コメディ」に強制変更することで、感情的なインパクトを無効化します。
2-3. 「セーブデータの破損」を狙う(記憶の再固定化)
最新の脳科学では、記憶は思い出すたびに一度「不安定」になり、もう一度脳にしまう時に「再保存(再固定化)」されることがわかっています。
記憶は読み出し専用ではなく、毎回上書き保存もされているようです。
実践例
嫌な記憶を思い出した直後に、あえて全く関係のない「新しい情報」や「強い刺激」を混ぜると、ノイズが混じった状態で記憶が上書き保存されます。
例えば、嫌なことを思い出しながら(思い出したら)以下のようなことをします。
- 全力でスクワットをする
- 激辛カレーを食べる
- 複雑な計算をする
- ミッキーマウスの声で般若心経を唱える
- 足の裏にセロハンテープを貼って部屋の中を歩き回る
これを繰り返すと、オリジナルの記憶ファイルが破損し(関連付けがバグり)、次に思い出した時に恐怖感情が呼び出されにくくなる可能性があります。
2-4. 物理的な強制シャットダウン(潜水反射)
思考がループして止まらない時は、脳ではなく体に働きかけます。
洗面器に氷水を張り、息を止めて顔をつける(30秒ほど)。
これは哺乳類が水に潜った時に起こる「潜水反射」を利用したものです。
心拍数が強制的に下がり、副交感神経が優位になります。 パニックや興奮状態にある脳を、生物的な反射機能を使って強制的に「クールダウン(再起動)」させる荒療治です。
手軽かつ頭を使わない方向なので、夜中にダークサイドに落ちかけた時はこれがおすすめです。
Q3:記憶の残り方に個人差はあるのか?
同じような失敗をしても、あっけらかんとしている人と、何年も引きずる人がいます。この違いはどこから来るのでしょうか。
性格的な要因だけでなく、遺伝的な要因も研究されています。
例えば、脳内神経伝達物質であるセロトニンの分泌量や調節機能のタイプによって、不安の感じやすさが異なります。
いわゆるHSPなどの気質も、情報の処理深度に関わるため、記憶の定着度合いに影響を与えると言われています。
もし「気にしやすい」のが遺伝子や脳の構造によるものだとすれば、そういった性質は「変えられない」のかもしれません。
Q3の深堀り:個人差があるなら、それは「設定」として受け入れるしかない?
これだけだと、「もう終わったわ、この状態で行きていくしかないんや…」となってしまうので、深堀りしてみます。
遺伝や脳の構造に個人差があるとして、その「初期設定」とどう付き合えばいいのでしょうか。
「生まれつきだから仕方ない」と諦める(受容する)方法と、後天的に「設定を書き換える」可能性の両面から調べてみます。
3-1. 「バグ」ではなく「仕様」として運用する
内向的で不安を感じやすい気質を無理やりポジティブに変えようとするのは難しいです。よく切れる繊細な「刺身包丁」を使って、木の剪定をしようとするようなもので、すぐに刃こぼれ(メンタル不調)を起こしてしまいます。
これを「修正すべき欠点」ではなく、「高感度センサー搭載の仕様」と定義し直すアプローチがあります。
「自分は記憶力が良すぎる(=忘れにくい)スペックなのだ」
「そういう初期設定なのだ」
と認識するだけで、記憶が蘇った時のストレスが軽減されるという考え方です。
記憶そのものを消そうとするのではなく、「仕様」として淡々と処理する感じです。
また、心理学には「防衛的悲観主義」という言葉があります。
最悪の事態を想定して不安になることで、準備を入念に行い、結果として高いパフォーマンスを発揮するタイプです。
このタイプの人が無理に「ポジティブになろう」として不安を消すと、逆にパフォーマンスが落ちるという研究結果があります。
「嫌な記憶を何度も思い出す」のは、「次は失敗しないための予習復習」を脳が勝手にやっている状態なので、その不安はちゃんと「機能」している証拠ということです。
3-2. 環境感受性(オーキッド・ジーン説)
遺伝子には「タンポポ型」と「ラン型」があるという説があります。
- タンポポ型(低感受性)
どんな環境でもそこそこ育つ。
環境の良し悪しにあまり影響されない。 - ラン型(高感受性)
環境が悪いとすぐに枯れる(メンタルを病む)が、
環境が良いとタンポポ以上に美しく咲く。
嫌な記憶を引きずりやすい人は「ラン型」の可能性が高いです。
この場合、設定(遺伝子)を変えようとするよりも、置かれている場所(環境)を変える方が生存戦略として正しいことになります。
悪い環境では誰よりもダメージを受けますが、適切な環境下では誰よりも高い能力を発揮する「特化型スペック」なわけです。
まぁ、その適切な環境の確保が難しいわけですが…
3-3. 設定自体は変えられるか?
遺伝子のスイッチ(設定)は一生固定なのかというと、そうとも限りません。
最新の生物学では、「DNAの配列は変えられないが、スイッチのON/OFFは後天的に変わる」ことがわかっています。
食事、睡眠、運動、思考の習慣によって、特定の遺伝子の働きが強まったり弱まったりします。
例えば、慢性的なストレス環境下では「警戒モード」の遺伝子スイッチがONになりっぱなしになりますが、安心できる環境や習慣を続けることで、そのスイッチが徐々にOFFになり、過敏さが和らぐ可能性があります。
「DNA」は交換したり変更したりできませんが、「どの遺伝子の働きを強めるかという設定(遺伝子の発現)」は、日々の行動でアップデート可能だということです。
Q4:メンタルではなく、物理的(栄養)な要因はあるか?
精神論から離れて、物理的な方向も確認してみます。
脳の機能を正常に保つための栄養素が不足していると、不安感が増大し、嫌な記憶に囚われやすくなる可能性があります。
「性格ゆえの悩み」だと思っていたものが、「臓器の不調」や「栄養状態」の影響によるものだとしてもおかしくはありません。
身体のコンディションが低下していれば、当然、身体の一部の「脳」にも影響はあるでしょう。
- 血糖値の乱高下
空腹時の糖分過多などで血糖値が急激に変動すると、自律神経が乱れ、不安やイライラを引き起こしやすくなります。 - セロトニンの材料不足
精神を安定させるセロトニンの材料となるトリプトファンや、合成を助けるビタミンB6が不足していると、ネガティブな思考ループから抜け出しにくくなると言われています。
嫌な記憶が消えないのは、「心が弱い」とか「そういう設定だから」だけではなく、単に「腸が荒れている」「副腎がガス欠」「血糖値が乱高下している」という物理現象の結果も影響しているのかもしれません。
4-1. 腸内環境と「脳腸相関」
「腸は第二の脳」と言われるように、脳と腸は密接に連携しています。
精神を安定させる神経伝達物質「セロトニン」の約90%は腸内で作られています。そのため、偏食やストレスで腸内フローラが乱れると、脳へのセロトニン供給が滞り、不安を感じやすくなったり、記憶の切り替えがうまくいかなくなったりします。
「腹が据わる」という言葉がある通り、メンタルの安定は物理的に「腹(腸)」の状態に依存しています。
4-2. 副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)
ストレスを感じた時に、身体を守るホルモン(コルチゾールなど)を分泌する臓器が「副腎」です。
長期間ストレスに晒され続けたり、カフェインを過剰摂取し続けたりすると、副腎が疲れ果ててホルモン分泌がうまくできなくなります。
これを「副腎疲労」と呼びます。
こうなると、些細な刺激に対しても防御反応が取れず、過去の嫌な記憶がフラッシュバックした際のダメージが強くなってしまいます。
関連記事 ⇒ 副腎疲労対策にサプリを飲んでみた記録
https://oneoffobject.com/treating-adrenal-fatigue-withai
4-3. 自律神経と血糖値スパイク
空腹時にいきなり甘いものを食べたり、炭水化物をドカ食いすると、血糖値が急上昇・急降下します。
血糖値が急降下する際、身体は血糖値を上げようとしてアドレナリンやノルアドレナリン(興奮・不安物質)を分泌します。
この時、脳は「身体が不安物質を出している理由」を勝手に探そうとします。
その結果、「今の不安は、あの過去の失敗のせいだ」と記憶と感情を誤って結びつけ、理不尽な不安感に襲われることがあります。
まとめ:思ったこと
最近は食事や栄養関係を見直したので、身体の不調からの精神ダメージコンボが減ってだいぶマシになりました。サプリにあまり頼りすぎないほうがいい、とは言われていますが、普通じゃない体質なら普通じゃない手段を取らないと変わらないだろうと、開き直って色々飲んでいます。
あとは、仕事を辞めて個人事業主になったことで大きく変わりました。
辞めたてのころは不安定でしたが、落ち着いてくると嫌な記憶が出てきても一歩引いて見られるようになった気がします。
今までいかにストレスまみれだったか思い知らされます。
セーブデータをバグらせるとか面白い対処法はありましたが、全体として、やっぱり最後は「運次第」という身も蓋もない感想です。
こういう性格になったのも運、昨日の出来事も運、5分後の出来事も運、自分にコントロールできることなんて本当は何も無いのかもしれません。
そうすると、嫌な記憶が再生されるかどうかもコントロール外になり、ここまで調べたことが水の泡となってしまうので、少しは運以外もあるということにしておきます。
⇩この記事の簡易バージョン(note版)
https://note.com/oneoffobject/n/n58f130e7c364
おまけ:参考情報・キーワード
心理学・脳科学(バイアス・言語化・ポジティブ比)
- ネガティビティ・バイアス(Negativity Bias)
- 参照論文:Bad Is Stronger Than Good (Baumeister et al., 2001)
- 概要:人間は良い出来事よりも悪い出来事を強く、長く記憶するという心理学の基礎理論。
- アフェクト・ラベリング(Affect Labeling / 言語化による鎮静)
- 参照研究:Putting Feelings into Words: Affect Labeling Disrupts Amygdala Activity in Response to Affective Stimuli (Lieberman et al., 2007)
- 概要:感情を言葉にするだけで、扁桃体の反応が抑制されることをfMRIで実証。
- 3:1の法則(Positivity Ratio)
- 主要文献:Positive Affect and the Complex Dynamics of Human Flourishing (Fredrickson & Losada, 2005)/The Complex Dynamics of Wishful Thinking (Brown et al., 2013)/Updated Thinking on Positivity Ratios (Fredrickson, 2013)
- 関連理論:The Role of Positive Emotions in Positive Psychology: The Broaden-and-Build Theory of Positive Emotions (Fredrickson, 2001)
- 概要:1つのネガティブに対し3つのポジティブが必要という説。ただし、厳密な「3:1」という臨界値の数学的根拠は2013年に否定され、提唱者もその点を認めている。拡張-形成理論そのものとは分けて扱う必要がある。
記憶対策・ハック(テトリス・再固定化)
- テトリス効果によるトラウマ抑制
- 参照研究:Can Playing the Computer Game “Tetris” Reduce the Build-Up of Flashbacks for Trauma? (Holmes et al., 2009)/Key Steps in Developing a Cognitive Vaccine against Traumatic Flashbacks (Holmes et al., 2010)
- 概要:「テトリス」をプレイすると、実験的に提示されたトラウマ映像に関するフラッシュバックの蓄積を軽減できるのかを調べた研究。
- 記憶の再固定化(Memory Reconsolidation)
- 参照研究:Fear Memories Require Protein Synthesis in the Amygdala for Reconsolidation after Retrieval (Nader, Schafe & LeDoux, 2000)
- 概要:記憶は呼び出すたびに不安定になり、再保存される際に書き換えが可能であるという神経科学の知見。
性格・遺伝子(HSP・オーキッド)
- HSP(Highly Sensitive Person)
- 参照研究:Sensory-Processing Sensitivity and Its Relation to Introversion and Emotionality (Aron & Aron, 1997)
- 概要:感覚処理感受性(Sensory Processing Sensitivity)が高い気質について。医学的な診断名ではない。
- オーキッド・ジーン説(差次感受性仮説)
- 参照研究:Biological Sensitivity to Context: I. An Evolutionary-Developmental Theory of the Origins and Functions of Stress Reactivity (Boyce & Ellis, 2005)/Beyond Diathesis Stress: Differential Susceptibility to Environmental Influences (Belsky & Pluess, 2009)
- 概要:遺伝的要因を含む個人差によって、悪い環境から受ける不利益だけでなく、良い環境から受ける恩恵も大きくなるという仮説。
- 防衛的悲観主義(Defensive Pessimism)
- 参照研究:Defensive Pessimism: Harnessing Anxiety as Motivation (Norem & Cantor, 1986)
- 概要:不安を原動力にしてパフォーマンスを高める戦略について。
生理学・栄養(脳腸相関・副腎)
- 脳腸相関(Gut-Brain Axis)
- 参照総説:The Microbiota-Gut-Brain Axis (Cryan et al., 2019)
- 概要:腸内細菌叢と脳が、免疫系、迷走神経、トリプトファン代謝、微生物由来代謝物などを介して双方向に影響し合う仕組みについて。
- 副腎疲労(Adrenal Fatigue) / HPA軸機能障害
- 参照情報:Adrenal Fatigue(Endocrine Society)/Adrenal Fatigue Does Not Exist: A Systematic Review (Cadegiani & Kater, 2016)
- 概要:「副腎疲労」は科学的根拠のある医学的診断名ではない。慢性ストレスに伴うHPA軸やコルチゾール反応の変化は研究されているが、「副腎の疲労」と同義ではない。
- 潜水反射(Mammalian Diving Response)
- 参照総説:The Mammalian Diving Response: An Enigmatic Reflex to Preserve Life? (Panneton, 2013)
- 概要:冷水への顔面浸漬や息こらえによって、徐脈、末梢血管収縮などが起こり、酸素を温存する哺乳類の生理反射。
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